ネットによってコミュニケーションのあり方が変わったことが、こんなところにも影響している。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。
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児童に対する性犯罪が社会問題化している中国で、その実態を調査した内容が公表された。
中国少年・児童文化芸術基金会女児保護基金(女児保護基金)が公開した『2017 児童に対する性犯罪及び性犯罪防止教育調査報告』(以下、『報告』)である。『報告』のなかで明らかにされたのは、昨年一年間、中国では公にされた(メディアで報じられた)ケースだけでも、児童に対する性犯罪は、全国で378件も起きていて、これは毎日平均1.04件起きていた計算になるという。
ネットメディア『東方網』が3月3日付で報じている。
女児保護基金によれば児童が被害者となる性犯罪の件数は、2016年の433件からは減っているものの、2013年の125件からは大きく増えているという。
今回の『報告』で衝撃的だったのは、被害女児の最低年齢が1歳であったと報じられたことだ。
犯罪件数を人数で見たとき、2017年の被害児童数(報道のなかで複数と表記されたケースを3人として計算した)は計606人。うち、女児は548人で全体の90.43%を占めていた。
女児保護基金の調査によれば、被害者606人のうち、7歳以下は65人で10.73%。7歳から12歳が199人で32.84%。12歳から14歳が191人で31.52%だった。年齢が報じられなかった151人を除く統計だが、やはり圧倒的に7歳から14歳までが被害に遭うケースが多いことが分かる。
犯罪が発生する場所としては農村と都市との区別では都市が6割を占めていたのだが、その原因として指摘されていたのが、女児がネットを通じて加害者と接点を持ち、誘い出されているケースが多いということだった。親としては、悩ましい問題だ。