外国映画が日本公開されるとき、まったく関係がない芸能人などがイベントや会見に登場することある。日本版オリジナルのテーマ曲や、技量が伴わないタレントによる吹き替え声優起用と並んで、映画ファンからはとても評判が悪いこの習慣は、新製品発表の記者会見など、他でも起きている現象だ。元広告代理店社員でネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、なぜ無関係の芸能人が来る会見が行なわれるのかについて考察した。
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3月30日に公開されるリュック・ベッソン監督の映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』のジャパンプレミアが開催されたが、ここでバカマスコミを端的に表す騒動が発生した。会場にはベッソン氏と吹き替えを担当した女芸人・ゆりやんレトリィバァが登場。
ゆりやんはセクシーな役柄である「リアーナ」の吹き替え担当で、リアーナと同様に露出度の高い衣装で登場し、ベッソン氏に「アイ・アム・セックス・シンボル」と言うなどした。同氏は「オーマイガー」と呟き、途中退場し現場が大慌てになったと報じられたのだ。ゆりやんは「怒らせてない」と言っているし、『来日したリュック・ベッソン、ネタ全開のゆりやんに“笑撃”「彼女はエイリアン」』と好意的に報じるメディアもあったが、ベッソン氏にとっては困惑の出来事だったかもしれない。
この件についてネットでは「手塩にかけた映画を外国に売り込みに行ったら、この仕打ち」といった批判に加え、「今ハリウッドはセクハラに過敏になってるのになぁ」とゆりやんの空気の読めなさが呆れられた。
だが、そもそも日本の「芸能人が来る記者会見」自体がおかしい。ゆりやんのように吹き替えを担当していたり、CMキャラという理由で登場するのならまだしも、映画に限らず、「なんとなくイメージが合う」「旬だ」という理由で企業は発表会に呼んでしまうのだ。
砂漠から脱出する映画『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』のジャパンプレミアでは、篠原信一、おのののか、小島よしおが登場。「体力がありそう」ということ以外に映画との関係は傍目には見出せない。