“大将”たる安倍晋三・首相の周りから次々と人が離れていく中、源義経を守る弁慶のごとく孤軍奮闘しているのが“総理の懐刀”今井尚哉・首席秘書官だ。
5年以上にわたり安倍首相を支え、「安倍さんと一蓮托生の関係」(官邸関係者)といわれる今井氏は改竄をめぐる報道のチェックに神経を尖らせているという。
3月11日、毎日新聞が朝刊一面で〈財務省書き換え、佐川氏が指示〉と特報を打った直後のことを毎日新聞関係者が明かす。
「今井秘書官が記事の根拠について、政治部に問い合わせていたようです。かなり強い詰問調だったらしく“官邸サイドからの圧力”と受け止めた記者もいました」
財務省が複数文書の存在を認めたのは翌12日。毎日の記事は“官邸・財務省も認める正確な内容”であり、政権が佐川宣寿・前国税庁長官にすべての責任を負わせようとしている今となっては的外れにも見える“記事照会”だが、今井氏は、何が気がかりだったのだろうか。前出の毎日関係者が分析する。
「今井秘書官と佐川氏はいずれも東大出身で霞が関入りの“同期”。しかし、旧知の仲の佐川氏を庇ったという単純な話ではないと思います。佐川氏による指示の有無に世間の関心が向くと、次は“では、佐川氏に指示したのは誰だ?”となりかねない。“佐川氏”ではなく“指示”というワードに敏感になっていたのではないでしょうか」
毎日新聞は今井氏からの“問い合わせ”について、「取材活動に関することについてはお答えしておらず、回答を控えさせていただきます」というのみ。一方の今井氏サイドも「確認しましたが、分かりません」(内閣官房内閣広報室)とのことだった。
※週刊ポスト2018年4月6日号