2000年代以降、何度も試みられながら頓挫してきた省庁に対する「政治主導」。2014年に内閣人事局制度を確立し、官僚人事を政治が握ることで達成されるわけだが、そこまで政治主導にこだわったのは、官僚による国益に名を借りた不正や、国益に便乗した醜聞が次々と起きたからだ。現在の状況が良いかどうかはさておき、政治主導以前に起きた官僚汚職スキャンダルを振り返ってみよう。
◆1995年 旧大蔵省
東京税関長らが信用組合理事長からの過剰接待を受けた。税関長らが更迭。次官が前倒し退任。
◆1996年 旧厚生省
埼玉県の特別養護老人ホームグループへの補助金交付に便宜を図った見返りに賄賂を受け取った。前次官がのちに逮捕、起訴。
◆1998年 旧大蔵省
銀行や証券業者などから「ノーパンしゃぶしゃぶ」店などで接待を受け、検査日程などの情報を提供した。職員が逮捕、次官が引責辞任。
◆2001年 外務省
首相外遊担当者が9億円以上の「機密費」を競走馬の種付け権料やマンション購入などに横領した。担当職員が逮捕、起訴、有罪判決。