大会発足から今年で11年。東京マラソンは今や国際的にも有名な大会となったが、注目されているのはランナーの力走だけではない。大会を支えるボランティアの力もまた、この大会の大きな魅力になっている。
「ボランティア」とひと口にいっても、その役割には違いがある。自身もランナーである東京マラソン財団・運営統括本部ボランティアセンター長の山本悦子さんが言う。
「現場の最前線に立っていただくメンバー、多言語対応メンバー、合わせて約1万1000人ほどです。そのメンバーは約15~20人が1つのチームとなり、束ねるためのリーダー、さらにリーダーのかたのまとめ役としてリーダーサポートという役割を設けています。しっかりと統制がとれることで、円滑な活動ができるようになるんです」
メンバーを支え、とりまとめる役割の「リーダー」(約600人)は、東京マラソンのボランティア経験の有無などの条件、選考もある。さらに、リーダーをサポートする役割を担う「リーダーサポート」(約60人)は、東京マラソンでのボランティア、リーダー経験やその他のスポーツイベントでの活動など経験豊富な人材が求められる。一般から募集される「メンバー・多言語対応メンバー」(約1万人)は、活動ごとに約20人を1班としてボランティア活動を行う。
ちなみに、ボランティアにエントリーしたきっかけベスト5は、1位「東京マラソンが好きだから」63.5%、2位「オリンピックのボランティアをしたいから」55.5%、3位「ランナーに落選したから」44.5%、4位「社会貢献・地域貢献のため」44.2%、5位「楽しそうだから」35.4%だという(東京マラソン財団『TOKYO MARATHON 2018 MEDIA GUIDE』より)
ボランティアメンバーに選ばれると、事前の説明会への参加が必須。そこで活動の内容や、注意点などをきちんと学んだうえで本番を迎えるが、メンバーを率いるリーダーはさらに入念な事前準備があるという。
「リーダーに応募いただくには一度でも東京マラソンでのボランティア経験があるなど、いくつかの条件があります。それを満たしていただいた上で、コミュニケーションに関する研修と課題やグループワーク、面接などで選考しています。現場でメンバーが気持ちよく活動できることがランナーや沿道のかたのためになることを考えると、リーダーの果たす役割はとても大きい。大会当初から重きをおいています」(山本さん)
◆自主的な現場の下見。振り返りと反省も忘れない