〈私は妻と一緒に園長先生に頭を下げに行きました。「子どもができてすみません」〉── 2月28日の毎日新聞に名古屋市在住の28才男性のこんな投書が掲載された。
男性の妻が保育士を務める保育園では、結婚の時期と妊娠の順番を園長が決めていて、「掟」を破って予定外の妊娠をしたため、男性と妻は園長に謝罪したのだという。しかし、その後も園長は「どうして勝手にルールを破るのよ」と嫌みを言い続け、妻は職場で肩身の狭い思いをしている…そう明かした男性は、最後にこうつぶやく。
〈子どもを育てる職業がこんな環境であるこの国は子育て後進国です〉
だが、韓国は日本以上に「働く女性」の妊娠に厳しい。
「そもそも妊娠の可能性がある若い女性は保育士として雇いません。妊娠すると仕事に支障が生じるので最初から未婚か40代の妊娠・出産期を終えた女性を雇うのが一般的です」(韓国・瑞山市の現役保育園園長)
首都・ソウルにある病院の看護師もこうつぶやく。
「韓国では女医、看護師とも人手不足なので妊娠しても歓迎されません。出産する場合は自分の勤務する病院を避けて、わざわざよその地域の病院で出産するんです」(ソウル市江北区にある病院の看護師)
続いて、フランスでは? 冒頭の毎日新聞の投書に見られるような妊娠順番ルールはまず考えられないという。
「日本と違って働き手が不足していない上に、“人生は個人の幸せありき”とする個人主義が徹底した国なので“組織のために配慮する”という考えがほとんどありません。フランス人からすれば妊娠したのに謝るなんてナンセンスの極み。もしもフランス人女性が周りから『産むな』と言われたら、『マタハラだ!』と反論して大騒ぎになるでしょう」(フランス在住経験のある皮膚科専門医の岩本麻奈さん)
※女性セブン2018年4月12日号