結果を出せない者は去るしかない──本来、プロ野球はそんな厳しい世界のはず。ところが、“そこそこやってくれればいい”と影で言われる大物選手も少なくない。たとえば、オープン戦最下位に沈んだ阪神では、年俸4億円(推定・以下同)の鳥谷敬(36)の調子が振るわなかった。
「オープン戦打率は11試合で.067だったが、歴代2位となる連続試合出場記録が続いている(3月29日時点で1895試合。1位は衣笠祥雄の2215試合)。昨年は顔面に死球を受けても試合に出場しただけに、金本(知憲)監督も“精神的支柱だから外せない”として起用する考え。試合に出るだけでノルマを達成しているようなものですよ」(球団関係者)
同様の評価はプロ20年目の広島・新井貴浩(41、年俸1億1000万円)にもある。
「広島に復帰して25年ぶりのリーグ優勝に貢献したベテランですから、緒方(孝市)監督も“精神的支柱になる”と調整遅れに寛容な姿勢。3月21日の練習中に左腓腹筋挫傷のケガを負い、開幕は三軍スタートとなりましたが、一塁にはエルドレッド(37)もいるし、首脳陣に焦りは見えない」(スポーツ紙記者)
こうした各球団の実態に、辛口評論で知られる江本孟紀氏は溜息を漏らす。
「野球に“精神的支柱”なんてポジションはありません。松坂(大輔、37、中日)だって、いまのままでは“投げる投げる詐欺”です。松坂や阿部(慎之助、39、巨人)がたまに出てベンチがそれを評価しているようではベテランに甘すぎる。球界全体がおかしなことになっていますよ。プロ野球はベテランも新人もない、実力の世界。それを忘れて、ファンを満足させられるはずがない」
※週刊ポスト2018年4月13日号