子供や孫の“一生に一度の晴れ舞台”を見るために、全国の小中学校の入学式に参加した父兄から「何だ、これは!?」という驚きの声が続出している。一昔前とは様変わりした“4月の学校”の実態とは──。
入学式の場では「なかなか身だしなみを厳しく指導できなくなってきた」と嘆くのは、中部地方の公立中学校教論だ。
「髪を染めてきた生徒は、以前なら式の前に黒髪スプレーで戻させていました。今は、親からのクレームになるから、口頭で注意はするけどそのまま出席させている」
学校のトラブル回避の姿勢のためか、式のプログラムにも変化があるという。
「子供が倒れたりすると大変だから、式が長くならないよう、市議会議員など来賓の挨拶も最低限の人数に抑え、祝電も掲示するだけになりました。挨拶が少なくなれば“起立、礼、着席”の回数も減らせる」(小学校教諭)
教育評論家の親野智可等氏もいう。
「今は“子供主体”が大切なので、大人のスピーチをずっと聞いていても子供たちが飽きるからと、スピーチを極力少なくする流れがあります。
それでも、学校の先生の負担が減っているわけではない。入学式の日に新入生の名前を間違えると、それもクレームにつながる。最近は読みづらい名前ばかりなので担任は必ず名簿に読み仮名を振り、“予習”を欠かさなくなっている」
※週刊ポスト2018年4月13日号