「あいさつをして、損することなんて絶対にありません」――。こう断言するのは、人材教育講師の三上ナナエさんだ(「」内、以下同)。そんな三上さんに、あいさつの仕方やマナーについて話を聞いた。
「あいさつをする上でもっとも大切なのは、自分からすること。よく、“声をかけてほしくなさそうだからしなかった”と言う人がいますが、それは勝手な思い込み。たとえ相手に無視されたとしても、めげずに自分からあいさつをし続けましょう。人からしてもらうのを待つのもNGです」
あいさつには相手の心を和らげ、人間関係をよりよくする効果があるという。だからこそ、初対面の人や新しい職場・グループでこそ、躊躇せずあいさつする必要がある。
「実際、私が指導した会社では、社員同士あいさつをきちんとする会社の方が雰囲気がよく、働きやすいせいか、業績がいい傾向にあります」
では、人に好印象を与えるあいさつのポイントは?
「相手の目を見ながらはっきりと言うこと。あいさつの単語の冒頭にアクセントを置くといいですよ。例えば“おはようございます”なら“おは”の音をしっかり出す。そうすると、相手に意志が伝わりやすいんです」
高すぎるテンションは相手を驚かせてしまうので、落ち着いて、柔らかい表情で声をかけるのもポイントだ。
◆見返りを求めないことがあいさつの基本
相手が自分を知っているかわからない場合も、あいさつをした方がいいのだろうか?
「仕事や人間関係で接点がなくても、身の回りにいる人は、いつお世話になるかわかりません。自分から積極的に声をかけてください。ただし、好印象を持ってもらうためにあいさつをする、という下心を持つのはおすすめしません。そういう気持ちは相手に伝わります。見返りを求めないのがあいさつの基本です」
あいさつをしない方がいいシーンはあるのだろうか。
「エレベーターの中など、狭い空間に多くの人がいる場合は勝手が違います。目を合わせて笑顔で目礼をし、先に出る時に“お先に失礼します”と言うのがスマートです」
相手の状況に合わせて振る舞うことが大切なのだ。
「あいさつの基本は、相手のペースを乱さないこと。自分から積極的にあいさつをするという姿勢は崩さず、状況に応じてアレンジしましょう」
※女性セブン2018年4月19日号