子供や孫の“一生に一度の晴れ舞台”を見るために、全国の小中学校の入学式に参加した父兄から「何だ、これは!?」という驚きの声が続出している。
我が子の小学校入学式に出席した30代の母親は、登校していきなり驚いたことがあったと話す。
「入学式の当日は、まず掲示されたクラス表を確認します。その時に“出席番号を覚えてください”とアナウンスが何度もあった。個人情報保護のため、下駄箱に名前を書かず、出席番号だけを表示してあるからだそうです。子供が自分の下駄箱の場所が分からなくなったりしないか心配です」
ここまでくると、誰のための“保護”なのかよくわからなくなってくる。入学式から教室に戻ると、担任教師から初めての挨拶、新生活の事務連絡が行なわれる。40代・中学校教諭の話。
「4月は保護者との間で必要な事務連絡がたくさんあり、昔なら口頭で説明していたことも、今はプリントにして渡すようになった。
緊急連絡先、かかりつけ医、アレルギーの調査、健康診断のアンケート、それに“学校通信やホームページに子供の写真を載せてよいか”という確認書もある。後で『知らなかった』といわれて、問題になってからでは遅いですからね。
ただ、書類があまりに多いので、入学前の事前説明会で先に必要な書類は渡しておき、入学式当日に出してもらう。当日はまた別の書類を配り、急を要さないものは4月中、とプリントの配布時期を振り分けていく」
書類の書き方が分からない、ということがないよう、書き方の見本まで渡す学校もあるという。実に行き届いた“配慮”である。
※週刊ポスト2018年4月13日号