1996年5月1日、ナゴヤ球場での中日―巨人戦で、巨人のガルベスが山崎武司の頭部に投げた1球を巡って両軍選手がグラウンドに。マウンドに向かう山崎にガルベスがパンチで襲い掛かり、山崎は流血。32分の中断後に再開された。このとき、罰金処分を受けた金村義明氏が振り返った。
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入団したのが気の荒い選手が多い近鉄でしたから、乱闘はたくさん経験させていただきました(笑い)。とくに西武戦は乱闘の“黄金カード”。デービスが東尾(修)さんに右ストレートをお見舞いした有名な乱闘がありますが、入団1年目には田淵(幸一)さんへの死球がきっかけでオープン戦なのに乱闘になりかけた。このときばかりは震えるしかなかった(笑い)。
だから西武戦は常にテンパってました。いざ乱闘になると、私のような若い選手は先頭切って飛び出さないといけません。西武も“戦闘要員”の広橋(公寿)さんや西岡(良洋)さんが飛び出してきて、羽交い絞めにされてボコボコに蹴られましたわ。
中日時代には山崎武司とガルベスの乱闘でエライ目に遭いました。代打に備えてベンチ裏で素振りをしていたので、何もわからずバットを持ってグラウンドへ。巨人コーチの淡口(憲治)さんが「カネ! バットはアカン」と取り上げたシーンが全国ネットで流れ、危険行為としてセ・リーグ会長から罰金10万円の処分ですわ。でも、さすが中日でした。星野(仙一)監督が“戦闘意欲”を評価してくれて、球団が払ってくれました(笑い)。
●かねむら・よしあき/報徳学園ではエースとして1981年夏甲子園優勝。同年ドラフト1位で近鉄入団。三塁手に転向し、中日、西武を経て1999年引退。野球解説は具体的エピソードが満載で、ファンも多い。
※週刊ポスト2018年4月13日号