国内

部活廃止の動きでるが… 松井秀喜、長友佑都らを育てた部活

部活で人生が変わったプロスポーツ選手は多い

 名古屋市教育委員会は3月5日、市立小学校におけるすべての部活動を2021年3月末をもって廃止すると発表した。公立学校の教員には超過勤務手当が支給されないことが法律で定められており、現状では時間外労働は無償で行われている形となっている。部活動などは勤務時間も含めて、教員に対する負担が大きく、業務内容を見直すという理由から、「部活動全廃」に至ったというのだ。

 しかし、その一方で「部活動は必要だ」という声が多いのも事実だ。

 都内のある中学校の放課後、校庭では野球部・サッカー部・陸上部が活動している。野球のベースも、芝のコートも、トラックもないがお互いが譲り合って楽しそうに汗を流す生徒たち。体育館では、バレー部がネットを張ってサーブの練習をし、その奥ではバドミントン部がラリーをしている。舞台の上ではダンス部が踊っている。

 彼らやその親たちは、部活の必要性を強く感じている。本誌・女性セブンが高校生を対象に行ったアンケートでは77%が「部活は必要」と回答。小学生以上の子供を持つ母親も、83%が「部活は必要」と答えた。

「部活動がなければ、私はマラソンに出合っていない」

 こう語るのは、女子1万mで1988年にソウル五輪に出場した元マラソン選手の松野明美さん(49才)。

 彼女は小学生の頃、ソフトボール、水泳、陸上と多岐にわたって活動するスポーツ部に所属していた。この部活動が松野さんの人生を大きく変えることとなる。それは小学5年生の時、スポーツ部の一員として出場した町内のマラソン大会での出来事だ。

「頑張って走ったら1位になった。顧問の先生と家族の笑顔が嬉しくて、“また1番を取ってみんなを喜ばせたい”と思ったのが、マラソンを始めるきっかけでした」

 その日以来、顧問の先生はいつも松野さんの走る姿を見守ってくれた。顧問とやりとりする連絡ノートに「明日は部活を頑張ります」と松野さんが書くと、「期待しています」と返ってきた。その一言は今でも松野さんの脳裏に焼きついているという。

「部活は新たな自分に出会える場。学校の部活なら“ちょっとやってみよう”と軽い気持ちで参加できて、自分でも気づかなかった才能を発見できる可能性がある。すると自分に自信がついて毎日の生活が変わります」(松野さん)

◆柔道部がなかったからこそ…

 巨人やヤンキースで大活躍し、“ゴジラ”の異名を世界にとどろかせた元プロ野球選手・松井秀喜氏(43才)も、部活で人生が変わった1人。

 生まれたときから体が大きく、身体能力に恵まれた松井氏は、小学生で野球と柔道を始める。先に芽が出たのは柔道。地元・石川の県大会では3位に入賞している。過去のインタビューでも松井氏は「野球よりも注目されていたんです。立ってよし、寝てよし。石川県では結構、強かったんですよ」と語っているほどだ。

 しかし、進学した中学に柔道部がなかったため、野球部に入部。通算打率6割など八面六臂の大活躍で頭角を現し、そこから甲子園のスターに。成り物入りでプロ入りし、世界へと羽ばたいた。

関連記事

トピックス

12月9日に亡くなった小倉智昭さん
【仕事こそ人生でも最後は妻と…】小倉智昭さん、40年以上連れ添った夫婦の“心地よい距離感” 約1年前から別居も“夫婦のしあわせな日々”が再スタートしていた
女性セブン
去就が注目される甲斐拓也(時事通信フォト)
FA宣言した甲斐拓也に辛口評価 レジェンド・江本孟紀氏が首を傾げた「なんでキャッチャーはみんな同じフォームなのか」
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン