ビジネス

大前研一氏が指南「給料をもらいながら技能を身につける法」

政府の働き方改革は的外れなものばかり 共同通信社

 安倍政権が目玉政策に据える「働き方改革」では、これまで原則禁止だった「副業・兼業」の解禁が謳われている。定年後の生活防衛のため、現役時代から本業以外で稼ぐのも一つの手段ではある。しかし、真の働き方改革を断行すれば、日本には大失業時代が到来すると大前研一氏は警鐘を鳴らす。

 * * *
 本来、副業・兼業は「特殊な技能」を売って高い報酬を得るものだ。たとえばイタリアの男性には、仕事を二つ持っている人が多い。二つ目の仕事は「ムーンライト(*)」、つまり夕食後に月の光を浴びながら二つ目の職場に出勤して深夜まで働くのである。

【*英語で月光を意味するmoonlightには、「(こっそり)副業をする」「二つ目の仕事を持つ」の意味もある】

 ただし、彼らの大半は昼と夜で別の仕事をするのではなく、同じ仕事をしている。たとえばファッションデザイナーだったら、夜は近くの同業他社の仕事を手伝ったり、東欧諸国やトルコなど海外の会社の仕事を請け負ったりしている。なかには週末にアドリア海を渡ってトルコへ飛び、2~3日働いて帰ってくるというケースもある。

 彼らが副業・兼業をする理由は二つある。一つは、ムーンライトの所得は税務署に捕捉されないということだ。もう一つは、副業・兼業で稼いだお金を夏休みなど長期間のファミリーバケーションに使って人生を楽しむためである。

 実は日本でも一時、週末に海外で副業・兼業をやっていた人たちがいる。かつて九州が「シリコンアイランド」と呼ばれていた頃、九州各地の工場で仕事をしていた日本企業の半導体エンジニアたちである。

 彼らは毎週金曜日の夜、韓国に飛んでサムスン電子やLGエレクトロニクスなどに技術を教え、日曜日の夜に帰ってきていた。この民間“有志”による技術移転の結果、日本は韓国に半導体のシェアを奪われてしまったのである。

関連記事

トピックス

中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《巨人V9の真実》400勝投手・金田正一氏が語っていた「長嶋茂雄のすごいところ」 国鉄から移籍当初は「体の硬さ」に驚くも、トレーニングもケアも「やり始めたら半端じゃない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン
フランクリン・D・ルーズベルト元大統領(写真中央)
【佐藤優氏×片山杜秀氏・知の巨人対談「昭和100年史」】戦後の日米関係を形作った「占領軍による統治」と「安保闘争」を振り返る
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《追突事故から4ヶ月》広末涼子(45)撮影中だった「復帰主演映画」の共演者が困惑「降板か代役か、今も結論が出ていない…」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(右)と工藤公康氏のサウスポー師弟対談(撮影/藤岡雅樹)
《サウスポー師弟対談》江夏豊氏×工藤公康氏「坊やと初めて会ったのはいつやった?」「『坊や』と呼ぶのは江夏さんだけですよ」…現役時代のキャンプでは工藤氏が“起床係”を担当
週刊ポスト
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン