「女性は土俵から下りてください」──大相撲の「女人禁制」文化がクローズアップされているが、実は土俵以外にも日本には、全国各地に女人禁制とされるスポットが存在する。その当事者たちに、女人禁制問題への見解を聞いた。
淡路島北部の山間にある石上神社には、舟木石神座と呼ばれる磐座(神石)群がある。本誌・週刊ポスト記者は男性のため入ることができたが、この場所は女人禁制だ。神社を管理する町内会役員に話を聞くと、こう率直に語った。
「テレビの取材も来ましたが、正直言って迷惑です。女人禁制を決めたのは神様で、男女平等以前のことなんです。破ると、呪いや祟りがあると言われています。
私たちの場合はあくまで信仰で、大相撲と違ってお金を取っているわけではない。そこははき違えないでもらいたい。それに、昔は女性は一切参拝できなかったんですけど、今は女性用に参拝できる場所を別に作ってもいます。もちろん今後も女人禁制を守り続けていきます」
石川県の石仏山は潔界山とも言われ、14歳以上の女性は立ち入りを禁じるとされている。石川県能登町役場ふるさと振興課に聞いた。
「不浄(生理や妊娠を穢れとする考え方)な女性は立ち入れなかったという説や、女性は入山すると神様によって鬼女にされてしまうという言い伝えがあります。ただ、それらは明文化されたものではなく、60代以上の女性なら構わないという説もあります。地元からは差別だとか不平等だという声は聞かれませんが、今後解除していく検討が必要だと考えています」
こちらは“時代の流れに合わせて伝統を変えていく”というスタンスのようだ。