「痛み」は体の不調を察知する最初の信号であり、それを正確に伝えることが、その後の診断に大きく影響する。痛みを伝える際に、意外にも効果的なのが「擬態語」だ。きくち総合診療クリニック院長の菊池大和医師は、患者の「痛み表現」を、診断の重要な指針にしている。
「右の腰から脇腹にかけて“ビリビリ”と痺れる痛みは十二指腸潰瘍の可能性がある」(菊池医師)
背中に“ズッシリ”とした痛みがあり寝返りも打てない場合、骨粗鬆症などで脆くなった腰骨が圧迫骨折していることがある。清水整形外科クリニックの清水伸一医師の解説。
「脆くなった背骨を支えるために背中の筋肉に負担がかかり、腰の中央部に重たい痛みが生じます。レントゲンに写りにくく、変形性脊椎症という別の病気と誤解されやすい。処置が遅れると、骨折部を元に戻せなくなる危険があります」
腰や背中の痛みの見極め方について、前出・菊池医師がアドバイスする。
「基本的な考え方として、普通の腰痛や背中の痛みは安静にしていれば改善しますが、じっとしているのに痛みが引かない場合、痛み止めが効かない場合は要注意です」(同前)
※週刊ポスト2018年4月27日号