早朝6時半、台所から聞こえるトントントンという包丁の音につられるように、2人の娘たち(長女・4才、次女・2才)が起きてくる。
子育てママ・関陽美さん(30才)の“闘い”は、ここから始まる。2人をテーブルに座らせると、テレビに夢中になって一向にご飯を食べようとしない長女を注意しながら、むずがる次女の口元にヨーグルトを運ぶ。食事が終われば、娘たちの身支度を整えながら、夫を仕事へと送り出す。
そうこうしていると時計の針はすでに8時半を指している。娘たちを自転車に乗せて、自宅を出る。まずは長女を幼稚園に送り、その後、『セブンなないろ保育園』(東京・大田区)に次女・いろはちゃんを預ける。
昨年10月に入園したいろはちゃん。当初はぐずることも多かったが、今ではすっかり慣れて、自分から挨拶できるようになったという。
そんなわが子にバイバイすると、関さんは保育園の下で営業する『セブン-イレブン大田区池上8丁目店』へと出勤した。彼女は平日、午前9時からお昼までの数時間、ここでパートタイマーとして働いている。
『セブンなないろ保育園』はセブン-イレブン・ジャパンが展開する店舗併設型の保育園だ。2017年10月にオープン。現在はこの『大田区池上8丁目店』と『広島中広3丁目店』の2店舗のみ。対象年齢は0~2才で、月~土曜日の7~20時まで開園している。セブン-イレブンで働く従業員やパートタイマーの子供に加え、地域に住む子供たちも受け入れてくれるという。セブン&アイ・ホールディングス広報の話。
「弊社は多様な人材が活躍できる環境作りを進めています。その一環として、子育て世代のかたでも安心して働けるように、保育園併設店をスタートしました。現在は2店舗だけですが、今後は除々に増やしていく計画です」
上海綾園長に話を聞いた。
「現在は4月の入れ替えの時期なので、お預かりしているお子さんは10名ほどですが、定員は30名です。そのうち約半数はセブン-イレブンで働くパートタイマーのお子さんです。親御さんがたは“働く場所が近いので助かる”と口を揃えます。また、当園にお子さんを預けて、近くのセブン-イレブンの店舗でパートをしていらっしゃるかたもいます。そうした柔軟な対応ができる点も喜ばれています。またセブンで働いていなくても地域にお住まいのかたでもご利用いただけます」
保育料は大田区の場合、1か月5万円ほどだが、セブン-イレブンのスタッフの場合、3~4割引きで利用することが可能である。