中国でインターネットで知り合った女性に対して、「私は中国中央テレビの音楽番組のプロデューサーで、父親は国有石油会社の役員」などと偽り、カネを貢がせた男が4月中旬に逮捕されたことが分かった。男は女性と4年の間に1回も会わずに、数回にわたって計38万元(約650万円)もの金をだまし取っていたのだ。
中国ではインターネットを使った詐欺事件などの犯罪が多発しているが、経歴や職業などをでっち上げて、文章などを駆使して、これほど巧妙に女性から金をだまし取る手口はまれだ。上海のニュースサイト「新聞」が報じた。
騙された女性の名前は「陳」さんという姓しか発表されていないが、江蘇省塩城市在住。男は「楊」という姓で、吉林省吉林市に住んでおり、2人の居住地は約1500km離れている。
楊は「周」という偽名を使って、ネット上の出会い系サイトに登録し、陳さんと知り合った。楊は吉林市に住んでいながら、「私は北京に住んでいて、中国国営中央テレビ局の幹部」などと出鱈目な職業や経歴を陳さんに伝えていた。
陳さんは楊に興味を持ち、「是非会いたい。私が北京までに行っても良い」などと連絡。楊は「実は海外取材に行く予定があって、時間がとれない。ところで、手持ちの金がないので、帰ったらすぐに金は返すので、5万元ほど貸してくれ」など持ちかけた。
これを信じた陳さんは楊が指定した銀行口座に5万元を振り込んだが、その後も、「母親が病気」とか「いま、海外にいて、金がなくなったので、口座に金を入れておいて」などと偽って、金をだまし取っていた。