投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の4月16日~4月20日の動きを振り返りつつ、4月23日~4月27日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。前週末13日から19日にかけて今年最長となる5日続伸となり、2月28日以来の22000円を回復した。米中貿易摩擦の後退に続いて、シリアへの米英仏によるミサイル攻撃が1回と限定的だったことが一先ず安心感につながり、週前半のNYダウは2日間で400ドル強上昇したことも日経平均の上昇に寄与した。米連邦準備理事会(FRB)が18日に公表した地区連銀経済報告(ベージュ・ブック)では、米経済は引き続き成長軌道に乗っているとの認識が示されたことも下値を支える材料として働いた。
週半ばからは、第1四半期の利益率が市場予想を下回ったIBMの株価下落が影響しハイテク買いが一服しNYダウは弱含んだ。一方、日経平均は先物主導によるインデックス買いの流入と為替の円安傾向が相まって上昇。17日から2日間にわたった日米首脳会談も、波乱なく通過したことで相場には中立要因となった。米半導体関連株の下落を受けて売り先行で始まった週末20日の日経平均は6日ぶりの反落となったものの、一時は前日比マイナスからプラスに切り返す場面があり、TOPIXは3日続伸で大引けるなど基調の強さを確認する形となった。
今週は、決算発表シーズン入りで、全般はもみ合いに転じることが予想される。日経平均は5日線が支持線として機能し売り込みにくさがある一方、価格帯別出来高では、ここから22300円辺りでは商いが積み上がっている水準でもあり、戻り待ちの売り圧力も意識されてくる。
こうした中、国内政局と企業の決算発表、そしてカレンダー事情が焦点となってくる。財務省の官僚トップ2人が辞任したなか、訪米から帰国した安倍総理の舵取りが注目される。麻生財務大臣の責任問題が大きくなると相場にとってマイナス材料となる。決算発表は、ハイテク系が先行してゴールデン・ウイーク(GW)明けに内需と金融株が本格化する。そのため、個別企業の業績相場に一喜一憂する物色展開が予想される。