少し歩くと、ふくらはぎが“キュッ”と締め付けられるように痛み、休まなければならなくなる──いわゆる「こむら返り」と同様の症状に感じられるが、動脈硬化の一種である閉塞性動脈硬化症のサインかもしれない。清水整形外科クリニックの清水伸一医師がいう。
「人によっては500メートル程度歩いただけでも痛むことがある。休むと痛みはすぐ取れるので“体力が落ちただけだろう”と対処が遅れるケースが多いのですが、閉塞性動脈硬化症によって、下半身に十分な血流が巡っていないことが考えられる」
放置すると痛みは強くなり、慢性的に“ギリギリ”と足が痛んで歩けなくなる間欠性跛行(かんけつせいはこう)に発展する。
「間欠性跛行の痛みも休めば和らいでしまうため、無理をすれば日常生活程度ならこなせてしまう。そのため、我慢強い人だとさらに動脈硬化が進行し、かかとやくるぶしが壊疽を起こして、最悪の場合は足の切断を余儀なくされる」(同前)
閉塞性動脈硬化症は他にも脳梗塞・心筋梗塞などの重篤な病に直結する。特に肥満や糖尿病の傾向がある人は、ふくらはぎや足先の「キュッ」に敏感になったほうがよさそうだ。
腰から下の足全体にかけて“ビンビン”と電気が走るような痛みがあったり、足の裏が“ジリジリ”と痺れる場合、脊柱管狭窄症の可能性がある。前屈みになると痛みが和らぐのが特徴だ。進行すると正しい姿勢の維持が困難になり、尿漏れなどを引き起こす。
※週刊ポスト2018年4月27日号