パナソニックから、肉好きにはたまらない調理家電が登場した。それはブロック肉を回転させながら焼く『ロティサリーグリル&スモーク』(幅405×奥行き416×高さ280mm、約8.6kg。実勢価格5万5000円前後)。
発売以降、さまざまなメディアで話題となっている。食と旅を愛する担当者が海外で目にした調理法から生まれたという。その開発秘話に迫る。
『ロティサリーグリル&スモーク』のアイディアを発案した担当者は、「食」と「旅」を趣味として、年に3~4回、食文化探訪の旅に出かけるという。担当者がスペインへ訪れたときのことだ。街中でかたまり肉を回転させながら焼いている光景をよく目にした。それは初めて目にした“ロティサリー”という調理法だ。「こんな調理を日本の家庭で再現できないか」と思いが強まった。
早速、レンジくらいの庫内で串刺しのブロック肉を回転させる試作機を作り、企画会議へ持ち込んだ。見た目もユニークで、会議は盛り上がりを見せた。ところが、同時に否定的な反応を受けた。その理由はサイズと機能にあった。
持ち込んだ試作機は従来のオーブンより大きい一方で、使える機能はロティサリーだけ。「日本の住宅環境では設置できるスペースがない」「日本の食文化には合わないかも」という懸念点が持ち上がった。計画は頓挫したかに見えたが、開発・商品企画のメンバーは皆、諦めなかった。「絶対に商品化してみせる」と、改良を重ねたという。
まず、一般的に家庭での調理が難しいといわれる焼き豚やローストビーフなどのかたまり肉をおいしく焼き上げられるよう、機構を一から見直した。肉をしっかり固定する方法は試行錯誤の末、かごに肉を入れ回転させる形にたどり着いた。