「新人王を狙います!」12球団のルーキーたちが、キャンプの初挨拶で広げる“大風呂敷”だ。開幕から1か月、言葉通りの活躍ができているかは“明暗”がくっきり分かれている。複数球団の1位指名を受けた日本ハム・清宮幸太郎(18・早稲田実業)、広島・中村奨成(18・広陵高校)、ロッテ・安田尚憲(19・履正社)の「高校ビッグ3」はいずれも開幕を二軍で迎えた。一方で、一軍に定着しているのが“左腕トリオ”だ。
DeNA・東克樹(22・立命館大からドラ1)は、登板2試合目の巨人戦(4月12日)で6回途中3失点で初勝利。阪神・高橋遥人(22・亜細亜大からドラ2)も、村山実以来59年ぶりの甲子園初登板・初先発・初勝利を記録した(11日)。
オリックス・田嶋大樹(21・JR東日本からドラ1)は、開幕カード2戦目(3月31日)で12球団の新人で一番乗りの勝利投手に。1985年の阪神ドラ1左腕・遠山奬志氏は3人に太鼓判を押す。
「東が一番活躍するんじゃないかと見ています。闘争心むき出しで投げっぷりがいい。新人にチャンスを与えるラミレス監督のもとで、どんどん自信をつけていくのではないか。高橋は二軍では打たれていたが、初球から積極的に打つよう指導される二軍より、カウントの駆け引きが求められる一軍に向いていたということでしょう。抜擢した金本(知憲)監督の英断です。田嶋はストレートも変化球もいいので、組み立てを勉強すればもっといいピッチャーになる。3人とも2ケタ勝てると思います」
※週刊ポスト2018年5月4・11日号