プロ野球開幕から1か月、今年のルーキーたちをみると、ドラフト上位よりも下位の選手のほうが活躍しているようだ。
巨人では、3位・大城卓三(25・NTT西日本)が2001年の阿部慎之助(39)以来となる新人で開幕カードスタメンを勝ち取り、小林誠司(28)から正捕手の座を奪う勢い。ドラ5・田中俊太(24・日立製作所)も代打・内野の控えとして一軍に帯同する一方で、中央大から1位入団の鍬原拓也(22)は開幕三軍スタートで二軍に合流したばかり。ロッテでも日立製作所からドラフト4位で入った菅野剛士(24)が6番レフトでスタメンに定着している。
今季はドラ1よりも“大卒・社会人卒の中~下位指名”の選手が活躍している傾向が見られるのだ。
天理高卒業後、社会人のクラレ岡山を経て1969年ドラフト2位で南海入りした門田博光氏はこう言う。
「社会人出身者は、やはり浮かれることがなくて冷静にいられるのが強みだと思います。私の時はまず、同じチームの外野手12人のプレーをよく見て、勝てるか勝てないか、いつ自分にチャンスが回ってくるかを見定めようと考えていました。入団したのは野村(克也)監督の就任1年目で、監督から“チャンスを1回だけやる”と言われて“ホームランは難しいが、ヒットならなんぼでも打てます”と大見得を切り、結果を残して生き残りました」
ドラ1が活躍せず、かつ下位に沈んでいるチームの監督やファンは、他球団の下位指名ルーキーの活躍を見て“なんでアイツを獲らなかったんだ”とほぞを噛んでいることだろう。
※週刊ポスト2018年5月4・11日号