「最後のお別れ」となる弔辞を読み上げるのは、自分のことを本当によくわかってくれている人であってほしい──歳を重ねると、ふとそんな思いに駆られることがある。そこで各界著名人に「自分の葬式で弔辞を読んでほしいのは誰か」と聞いてみた。「突撃! 隣の晩ごはん」で知られる落語家・ヨネスケ氏(70)は開口一番、「弔辞を読んでもらう人は決まっているんです」と打ち明けた。
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三遊亭小遊三さん(71)とは、年齢も入門もほぼ同じで、前座の頃から50年来の大親友なんです。ですから、どちらかが先に逝ったら、残ったほうが弔辞を読むと約束しています。
内容も決まっている。私が先に死んだら、「ヨネスケは女癖が悪く、しかもケチだ」とか、「ヨネスケほど性根の悪いヤツはいない」と小遊三さんに暴露してもらって、葬儀を滅茶苦茶にする。私が読む場合も同じで、小遊三さんのことをボロカスに言う。
それでも弔辞の最後には必ず「でも、寂しいよ」という“下げ”をつけるんです。
私たちにはもうひとり、二代目柳亭小痴楽(五代目柳亭痴楽)さんという仲間がいたんです。しかし、2009年に57歳という若さで逝っちまいやがった。彼の葬儀では小遊三さんが葬儀委員長として挨拶し、私が弔辞を読んだ。半世紀近い付き合いの仲間が先に亡くなるのは、辛いことです。