ビジネス

【日本株週間見通し】大型株主導で2月戻り高値に挑戦か

過去、5月月間の日経平均の上昇は34回、下落は35回

 投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の4月23日~4月27日の動きを振り返りつつ、5月1日~5月11日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。小幅ながらも週間ベースでは5週連続、月間ベースでは3カ月ぶりの陽線となった。米国債市場で10年債利回りが4年ぶりに3%を突破したことが警戒されるとともに、米建機最大手のキャタピラーが「1-3月が利益のピーク」との経営陣の発言や、アップルの「iPhone X」の足元の需要懸念などが嫌気されて、NYダウは24日にかけて5日続落となった。日経平均も軟調なスタートとなったものの、為替相場が週初の1ドル107円台から週半ばにかけて109円台への円安が進行したことで指数寄与度の高いハイテク株の上昇も日経平均の上昇を支えた。北朝鮮、シリア情勢といった海外要因も悪材料につながらず、停滞する国会審議や各報道機関の世論調査による安倍内閣の支持率低迷も相場にとって影響は限定的だった。

 また、日本電産<6594>は24日の決算発表後に売り買いが交錯したものの株価は上昇し、25日発表の今期業績見込みがポジティブ・サプライズとなった東京エレクトロン<8035>の株価急伸がハイテク株の地合いを好転させた。一方、今期大幅減益見込みを発表のファナック<6954>が急落し上値の重しとなった。27日正午過ぎには、日銀金融政策決定会合において賛成多数で「短期金利マイナス0.1%、長期金利ゼロ%程度に誘導する金融緩和策の現状維持」が伝えられたが、日経平均先物、現物取引、為替にも目立った反応はなく、日経平均は週末にかけて続伸し、27日の東証1部売買代金は3兆3144億円と3月27日以来となる3兆円回復に膨らんだ。

 営業日数が2日間の今週から5月第2週の株式市場は、長期金利アレルギーを抱えるNYダウと為替動向を睨みつつ、もみ合いながらも日経平均は上値をうかがう動きとなりそうだ。日経平均は1月高値から3月安値に対する半値戻しを達成し、戻り待ちの売りが出やすくなっている。一方、22000円台にある75日線がサポートする底堅い動きを継続し、一目均衡表の「雲上限」(22533円)も位置する2月27日戻り高値の2万2502円が意識されてこよう。

 26日に決算を発表した京セラ<6971>、アドバンテスト<6857>などが、今期業績予想を好感して一段高に買われ日経平均上昇に寄与したが、今週以降も引き続き、企業の決算発表が注目される。1日のヤマトHD<9064>、8日の三菱商事<8058>、9日のトヨタ<7203>、10日のパナソニック<6752>がそれぞれポイントになる。ソフトバンクG<9984>や富士フイルム<4901>などの大型M&A動向についても推移をチェックしたい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン