中国では昨年1年間で約140万件の離婚訴訟が行われ、その7割が女性によって訴えられており、さらに全体の3割が結婚して3年以内であることが明らかになった。離婚の原因の77%は性格の不一致で、15%が夫による家庭内暴力だったことも分かった。
また、家庭内暴力による離婚は広東省や貴州省、広西省といった南部3省に多かった。これらの地域では女性の地位が男性に比べて低くみられていることが原因とみられているという。中国最高法院(最高裁判所に相当)が先月、発表した。
中国では、離婚はかつて社会的なタブーだったが、いまでは社会的に受け入れられるようになっている。それは、離婚数に如実に表れているようだ。
中国では2002年以来、15年連続で離婚率が上昇。2016年の離婚数は420万件で、前年比8.3%増となっている。英誌「エコノミスト」によると、この背景には、中国は世界的に見ても離婚が容易で、それにかかるコストが最も低い国の一つとなっていることがある。離婚の手続きは30分で済み、その費用はわずか9元(約160円)だからだ。
中国では1980年代にも離婚が増加したことで、1994年に婚姻法改正され離婚要件が厳しくなったものの、2003年に再び規制が撤廃され、その後、離婚件数は右肩上がりで、増加の一途だ。