GWには、動物園や水族館へ出かける人も多いのでは? そんな時に役立つ、生き物に関する意外な豆知識を、“生き物博士”に聞いた。
ゾウアザラシは、クジラ以外の哺乳類では最強の潜水名人として知られている。生物学者の池田清彦さんが教えてくれた。
「深さ1500mくらいまで潜れ、2時間くらい海中にいられます。これは通常の哺乳類と筋肉組成が違い、筋肉中に酸素を蓄えられるからです。水中では筋肉内の酸素を使って呼吸しているんです。つまり、自前の酸素ボンベを持っているようなものですね」(池田さん)
潜る際は息を吐いて自重で下降し、外敵に襲われない深さになると、心拍数を下げ、呼吸も停止して寝ながら潜水するという。
一方、セイウチが身を守るための武器は交尾器と口臭だ。
「セイウチのオスの交尾器は長さ60cmもあり、しかも中に骨が入っていて硬く、これでアザラシやオットセイなどを殴るんです。また、口臭がとても臭く、天敵である白熊も逃げ出すほど。においの正体は、主食の生魚。胃の中で発酵するのでものすごいにおいになるんです」(池田さん)
※女性セブン2018年5月10・17日号