子供の頃を思い出すノスタルジックな駄菓子。街の駄菓子屋さんだけでなく、スーパーやコンビニでも売っており、根強い人気を誇っている。
お菓子というとカロリーが気になるものだが、駄菓子は意外にもカロリーが低いものが多いというのは駄菓子愛好家の粕田一美さん。
「食べきりサイズが多く、満足度も高い。小袋の物は、持ち歩きにも便利ですよ」(粕田さん)
長年愛され続ける駄菓子にもいつか終わりがくる。2017年末、創業70年の『梅ジャム』が製造終了となった。
「後継者不足、工場閉鎖等で絶滅した駄菓子はありますが、本家に似た味を別メーカーが継承し、生き残っていく場合も」(駄菓子屋研究家・土橋真さん)
駄菓子屋の頭を悩ませたのが消費税。戸時代創業、東京最古の駄菓子屋『上川口屋』の店主は、13代目の内山雅代さん(77才)はこう話す。
「3%の時までは店で負担できたけど、5%、8%と上がっていくうちに仕方がなく…。子供から消費税をもらうのは今でも心苦しいですね」
原材料の高騰による値上がりも同様に心が痛むという。駄菓子屋さんというと正式店名があっても、勝手にあだ名で呼ばれている店も多かった。
「看板がない店もあったため、“ばぁちゃんとこ”などを始め、店主にちなんだやや失礼な呼び方も。もちろん親しみを込めてですけどね」(昭和レトロライター・初見健一さん)。
とはいえ、駄菓子屋さんの店主は目利きのバイヤーだ。「かつては問屋に赴き、売れ筋や新商品の中でも売れそうなものを選んでいた」と上川口屋の内山さん。子供たちのやりとりにもアンテナを張っていたそう。常に人気商品が絶えなかったワケだ。
ちなみに、駄菓子には地域性があるという。関東で人気の漬物系駄菓子は関西圏に行くと知名度が低くなる。
「関西では、漬物をお茶請けにするという文化がなかったことから、酸っぱい系は広く流通しなかったようです」(初見さん)
※女性セブン2018年5月10・17日号