国際情報

厨房へのカメラ設置 中国では異物混入被害を防ぐ効果も

厨房も透明性が求められる時代(写真:アフロ)

 日本のレストランの厨房にカメラがついているところは極めて少ないと思われるが、中国ではいまや珍しくもないらしい。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 食品の安全という問題では、ずいぶん長いこと苦しんだ中国だが、スマートフォンの普及とIT技術の進化により、いまでは状況は大きく改善された。というよりも、もはや上海や深圳、北京といった大都会の一部ではもはや日本以上に食の安全は確保されているといっても間違いない。

 たとえば、ランチで普及しているケータリングシステムでは、多くの店が厨房での調理の様子を動画でライブ配信をしていて、消費者は厨房の清潔さなどを自分の目で確かめてから注文ができる。大手スーパーでは、野菜に取り付けられたタグにスマホをかざすだけで、どこでどのような検査を受けたのかが確認でき、データも取得できる。

 そんなことが当たり前になりつつある中国だからこそ、というべきか、あるニュースが大きな話題となった。

 伝えたのは『澎湃新聞』(4月4日付)。記事のタイトルは、〈同郷のレストランが絶好調なのをうらやみ、男が店に忍び込んで鍋に糞尿をぶちまける〉である。

 考えただけで吐き気がこみあげてくる話だが、こればっかりは防ごうにも防ぐ手立てはない。で、気になるのはどれほどの客がそれを食べたのか、という疑問だ。

 幸いなことに、食べたのはそのレストランのオーナーだけだったようだ。というのも客に供する前に味見をしたところ、「いつもの味ではない」と疑問に思い、レストラン内を映した防犯カメラを確認したところ、同郷の男が異物を入れるところを見つけたという。

 後味の良い話じゃないが、厨房を映すカメラを備えている中国だからこそ真相が明らかになったといえるのかもしれない。このニュースは動画と共に全国のテレビニュースにもなったから、今後の犯罪防止にもつながるのだろう。

関連キーワード

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン