中国陝西省の中学校で、4月下旬夕方、下校中の中学生がナイフで襲われる通り魔事件が起き、男子生徒2人と女子生徒7人の計9人が出血多量などで死亡し、12人が重軽傷を負った。犯人は同じ中学校の卒業生で、28歳の男だった。
犯行の動機について、男は警察の取り調べで「中学生時代にいじめられたことへの恨みで、同じ中学校の生徒を殺害することで恨みを晴らそうと思った」と供述していることが分かった。
中国では「一人っ子政策」が2016年に廃止されたばかりだが、甘やかされて育った一人っ子が成人後、問題を起こす事件がこのところ多発している。中国国営新華社電などが報じたところでは、犯人の男は1990年生まれで、「趙」という姓しか明らかにされていない。
趙は4月27日午後6時ごろ、出身校の陝西省米脂県第3中学校の校門近くの通学路で待ち伏せ。通りかかった下校途中の中学生を持っていたナイフで次々に切りつけた。ちょうど学校では中学3年生に対し高校受験のための補習授業をしており、被害者の大半は補修授業の受講者だったという。
現場は襲われた生徒らの叫び声などで阿鼻叫喚となり、あまりの叫び声に近所の住民が道路に出て現場を目撃。すぐに警察に通報したが、警官隊が到着するまで30分以上かかっており、21人が死傷する大事件になった。