“そうそう、こんな味だった!”幼いころの甘酸っぱい思い出がギュッとつまった、宝石箱のような駄菓子店で、懐かしの味を集めてみました。駄菓子は、江戸時代が起源とされる説が有力、と昭和レトロライターの初見健一さん。
「当時、砂糖は庶民が口にすることができなかったため、水あめや果物で甘みをつけた安いお菓子を“一文菓子”、“雑菓子”と呼んで食べていたようです。昭和になると、まとめて“ダメな菓子”ということで“駄菓子”と呼ぶようになりました」(初見さん)
駄菓子は体に悪い? といったイメージを持つ人もいるが、現在は材料も変わり食品表示も明確に記載されている。では、そんな懐かしの駄菓子を見てみよう。
●蒲焼さん太郎
「子供心に、蒲焼きというネーミングが魅力的でした。魚肉を使っているようですが、甘いたれの感じはまさにうなぎの蒲焼き。ご飯のおともにも◎」(神奈川県・39才・主婦)。1枚10円/菓道
●ビッグカツ
名前はカツだが、実は魚のすり身を使っている。「衣がジューシーで、ソース味もこってりパンチが効いている。トースターで焼いてカリッとさせてもおいしいですよ」(駄菓子屋研究家・土橋真さん)。1枚30円/菓道
●モロッコフルーツヨーグル
駄菓子と言えばこれを思い出す人も多い。レトロなパッケージがキュート。「甘酸っぱく生クリームのような食感。ふたの裏に“あたり”と書かれていれば、もう1個もらえました」(駄菓子愛好家・粕田一美さん)。1個20円/サンヨー製菓
●カステーラ
砂糖をまぶした一口カステラを串に刺したもので、通称“花串カステラ”。「生地はややパサついていますが、いかにも駄菓子という感じがいいんです」(初見さん)。6本入り120円/佐藤製菓
●ココアシガレット
「タバコ型駄菓子の代表格。くわえるとココアと薄荷の香りがします」(初見さん)。1951年生まれで、ピーク時には年間1800万個を出荷。大人ぶりたい男の子の心をつかんだ。1箱33円/オリオン
撮影/阿部健太郎
※女性セブン2018年5月10・17日号