トップ会談によって、朝鮮半島はどう動くのか。武力衝突か、緊張緩和か。中朝国境では中国の基地局の電波が北朝鮮の領土まで及ぶ。国境近くに住む北朝鮮住民の中には中国人と商売をするため中国の携帯電話を持つ人がいる。韓国人ジャーナリストの朴承ミン氏が、3月から4月にかけ、そんな北朝鮮住民を探し直接電話をかけて生の声を聞いた。名前は全て仮名にした。
●キム・サンジュン(男性・29歳・大学生)の話
──金正恩委員長をどう思うか。
「それは人々がみな同じ考えだ。人前では言葉にできないが、陰では『子豚野郎』と呼んだり、『三代目熊の子野郎』と悪口を言う。そいつ(金正恩)が、あの若い奴が、(声のトーンが高くなった)民が食べて生きていけるように統制を解くこともしない。毎日のように、軍事準備をする、訓練するといい、住民が死んだり、食べるものがなくて悩んだりするのは眼中にもない。私の個人的な考えは、『彼(金正恩)が寝ている間に死ねばいい』ということしかない」
──米国が北朝鮮を攻撃すると思うか。
「北朝鮮では、『朝鮮がない地球はない』と話す。私たちが核を保有しているため、米国やその追従国家(同盟国)らが、私たちにむやみに怪我を負わせるようなことはできないだろうと思う」