NHK大河ドラマ『西郷どん』は5月13日放送予定の第18話から、物語の舞台を奄美大島に移す。鈴木亮平(35)演じる西郷隆盛は、幕府に追われた尊皇派の僧侶・月照(尾上菊之助、40)と共に入水自殺を図るも、奇跡的に一命を取り留める。その後、約3年間にわたり、奄美大島で潜居することになる。
「明治維新の動きとは直接、関係を持たない雌伏の時代ですが、今回の大河では複数話を割いて丁寧に描いていく。島で出会う2人目の妻・愛加那を二階堂ふみ(23)が演じ、3月中旬から下旬にかけて現地ロケを行ないました」(NHK関係者)
史実では、黒糖運搬船「福徳丸」に乗った西郷が島に着いたのは安政6年(1859年)の1月で、島の北東部に位置する阿丹崎から上陸した。その際に船を係留した松の木は現地で“西郷松”と呼ばれ、隣には『西郷翁上陸之地』という石碑も立てられた。島民の一人がこう語る。
「高さは18メートルにも及び、幹の太さは大人3人が手をつないでやっと囲えるほどで、枝振りも目の前に走る二車線の湾岸道路を覆うほど巨大な松でした」
ん!? 過去形なの?
「実は10年ほど前から島内の松は、害虫被害で樹勢が衰え、西郷松も2011年に“立ち枯れ”と判断され、伐採されました」(同前)
現在、松の生えていた場所には『西郷松本舗』という菓子店がある。同店は1990年放送の『翔ぶが如く』をきっかけに「西郷松せんべい」を発売して人気の土産物だというが、従業員に聞くと、「今回のロケで俳優の方は、こちらにはいらっしゃいませんでした」という。
奄美編はどんなふうに始まるのか。制作サイドの“工夫”が注目ポイントとなる。
※週刊ポスト2018年5月18日号