大相撲春場所後に行なわれた春巡業の序盤で、横綱・白鵬は父親の葬儀(4月9日に76歳で死去)のためにモンゴルに帰国。靖国神社の土俵入りで復帰したものの、発熱などの体調不良で再び巡業から離脱し、再合流したのは巡業終盤だった。ベテラン記者はこう語る。
「巡業最終日(4月27日)に三番稽古を再開したが、5月場所(5月13日初日)への出場は明言しなかった。今年の初場所に先立ち、横綱審議委員会から問題視されるなどして立ち合いのカチ上げや張り手が繰り出しづらくなった。以来、初場所は途中休場、春場所は全休。自信を失っているんじゃないか。
全休した春場所で横綱在位64場所となり、北の湖を抜いて歴代単独1位となった。もう、塗り替える記録も見当たらない。20年の東京五輪まで綱を張ると宣言しただけに、少しでも不安があれば休場でしょう」
春場所で8場所ぶり4回目の優勝を飾った横綱・鶴竜も痛めた右手が完治しておらず、5月場所を休む可能性が囁かれている。そして、唯一の日本人横綱・稀勢の里も深刻な状況だ。
「途中休場含め6場所連続休場中で、次に出る場所に進退がかかる。稀勢の里自身は休場が続くほど再起への道が遠くなると考えて出場に意欲的ですが、一門の親方衆は田子ノ浦親方(元前頭・隆の鶴)に休場を勧めている。
協会としても、大鵬の孫(序二段・納谷)が幕内に上がってくるまでは現役を続けてもらいたい。結局、協会内からは早くも“勝ち越せばOK”“途中休場しても引退の必要なし”と予防線を張る声まであがっている」(同前)
3横綱が土俵を沸かせて、相次いだスキャンダルによる負のイメージを払拭──とはいかない状況である。
※週刊ポスト2018年5月18日号