国内

在宅医が教える“介護の場所”「在宅が親孝行とは限らない」

長尾クリニック院長の長尾和宏さん

 多くの人が望む自宅での療養と最期を支える在宅医として、数多くの看取りを行ってきた長尾クリニック院長の長尾和宏さん。家族が悩む“介護の場所”について、力強いアドバイスをくれた。

 * * *
 在宅か施設か、病院かの択一ととらえない方がいい。今は療養形態も多様化していて、高齢の親の状態や介護する家族の生活や介護力に合わせて、自宅・施設・病院を行ったり来たり、自在にアレンジすることができるのです。

 私の在宅医療の患者さんでも、月のうちほとんどを施設のショートステイで過ごし、自宅に帰るのは数日という人、呼吸器が必要で要介護5の親を在宅介護しながらフルタイムで働いている人もいます。

 また天涯孤独のおひとり様で認知症や末期がんの人も診ています。つまり家族がいなくても大丈夫。介護の形にこだわって取り越し苦労をしなくてもいいのです。核家族で育った今の40~50代は人が老いて死ぬことを現実に見ていないから、戸惑い、介護のパッケージを求めてしまう。必ずしも在宅が親孝行とは限らないし、施設で気楽にと考える高齢者もいます。

 大切なのは“あなたの親”に心を寄せること。たとえ施設や病院に入っても会いに行って話す、聞く。電話やメールでもいい。コミュニケーションこそが何よりの親孝行です。

 これからは多死社会。死をタブー視するのではなく、人生の大切な最期の瞬間ととらえましょう。子世代はその時を心穏やかに迎えられるように環境を準備すべく、元気なうちから親子で話し合いを。親の人生の最終段階に、ぜひいい親子関係を築いてください。

※女性セブン2018年5月10・17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米野球記者協会ニューヨーク支部主催のアワードディナーに出席した大谷翔平と、妻・真美子さん(左/時事通信フォト、右/提供:soya0801_mlb)
《真美子さんが座る椅子の背もたれに腕を回し…》大谷翔平が信頼して妻を託す“日系通訳”の素性 “VIPルーム観戦にも同席”“距離が近い”
NEWSポストセブン
司法省がアンドリュー元王子の写真を公開した(写真/Getty Images)
《白シャツ女性に覆いかぶさるように…》エプスタイン・ファイルで新公開されたアンドリュー元王子とみられる人物の“近すぎる距離感の写真” 女性の体を触るカットも
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
【2・8総選挙「大阪1〜10区」の最新情勢】維新離党の前職が出た2区、維新前職vs自民元職vs野党候補の5区で「公明党票」はどう動くか
NEWSポストセブン
なぜ実の姉を自宅で監禁できたのか──
《“お前の足を切って渡すから足を出せ”50代姉を監禁・暴行》「インターホンを押しても出ない」「高級外車が2台」市川陽崇・奈美容疑者夫妻 “恐怖の二世帯住宅”への近隣証言
NEWSポストセブン
東京拘置所(時事通信フォト)
〈今年も一年、生きのびることができました〉前橋スナック銃乱射・小日向将人死刑囚が見せていた最後の姿「顔が腫れぼったく、精神も肉体もボロボロ」《死刑確定後16年で獄中死》
NEWSポストセブン
間違いだらけの議事録は「AIのせい」(写真提供/イメージマート)
《何でもAIに頼る人たち》会社員女性が告白「ケンカの後、彼から送られてきた”彼女の方が悪い”とAIが回答したスクショ」ほどなく破局
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
国際ジャーナリスト・落合信彦氏が予見していた「アメリカが世界の警察官をやめる」「プーチン大統領暴走」の時代 世界の“悪夢”をここまで見通していた
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト、2025年10月15日)
《頬がこけているようにも見える》高市早苗首相、働きぶりに心配の声「“休むのは甘え”のような感覚が拭えないのでは」【「働いて働いて」のルーツは元警察官の母親】 
NEWSポストセブン
ジェンダーレスモデルの井手上漠(23)
井手上漠(23)が港区・六本木のラウンジ店に出勤して「役作り」の現在…事務所が明かしたプロ意識と切り開く新境地
NEWSポストセブン
元日に結婚を発表した女優の長澤まさみ(時事通信フォト)
長澤まさみ「カナダ同伴」を決断させた「大親友女優」の存在…『SHOGUN』監督夫との新婚生活は“最高の環境”
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
【訃報】国際ジャーナリスト・落合信彦氏が死去、84歳 独自の視点で国際政治・諜報の世界を活写 
NEWSポストセブン
薬物で急死した中国人インフルエンサー紅紅(左)と交際相手の林子晨容疑者(右)(インスタグラムより)
「口に靴下を詰め、カーテンで手を縛り付けて…」「意識不明の姿をハイ状態で撮影」中国人美女インフルエンサー(26)が薬物で急死、交際相手の男の“謎めいた行動”
NEWSポストセブン