5月13日に大相撲夏場所の初日を迎えるが、相次ぐトラブルに日本相撲協会は揺れ続けている。春巡業中に浮上した「女人禁制」問題を巡っても、協会の対応は右往左往した。
この議題だけのためにわざわざ招集された4月28日の臨時理事会後、八角理事長(元横綱・北勝海)は、女性看護師に土俵から降りるようアナウンスした問題を改めて謝罪。一方、相撲が「神事」であることを理由に、議論に時間をかけたいともした。
だが、大相撲の“伝統”がこれまで繰り返し変えられてきたことを踏まえると、対応のちぐはぐさが際立つ。
「NHKラジオ中継が始まった3年後(1931年)には、すぐ決着がついてしまう相撲を減らす狙いから、それまでの二重土俵の内側の円を取って土俵の大きさを直径15尺(約4.6m)に広げた。1953年にテレビ中継が始まると、テレビ映りのために4隅の柱を撤廃。ビジネスが絡むと伝統を自ら曲げ、批判に晒されると“伝統の神事”と言い訳する。そのご都合主義が露呈した格好だ」(ベテラン記者)
信頼回復はほど遠いのだ。
※週刊ポスト2018年5月18日号