開幕から1か月が過ぎると、両リーグの打者・投手の個人成績上位には、従前の予想と、だいぶ違う顔ぶれが並ぶ。セ・リーグ首位打者争いは予想外の“新顔”が上位を占める。中日の新外国人・アルモンテ(28)と昨年まで2年連続リーグ最低打率の巨人・小林誠司(28)だ。
「アルモンテは、練習態度が真面目で首脳陣の評価は高い。得点圏打率が5割を超す勝負強さも際立っている。メキシカンリーグ時代から伸ばしている“幸運のあごヒゲ”は森(繁和)監督の許可を得て伸ばし続けており、もう10センチ位の長さになっている。彼がホームランを打った後にベンチの選手が“ひげタッチ”するのがゲン担ぎになるなどチームにも溶け込んでいる。まァ、幸運のヒゲを触っても、他の選手はほとんどが2割台ですが……。
一方の小林は、キャンプでOBの松井秀喜氏から軸足を意識するようマンツーマン指導を受け、“打撃フォームに明らかな進化が見られる”というのが他球団スコアラーの評価。ドラフトで捕手4人を補強し、競争意識が駆り立てられた」(スポーツ紙デスク)
ただ、野球評論家の広澤克実氏の見方は冷静だ。
「プロのバッテリーは、打たれた相手には配球をどんどん変えるが、抑えているバッターに対しては変えない。小林は昨季までずっと2割スレスレでしたから、相手の配球パターンが変わらず、それにようやく慣れたということでしょう。捕手としては呆れるほど遅いが、これからは各球団が攻め方を変えてくるから、まだ本物かは判断できない」
※週刊ポスト2018年5月18日号