特定の食品や成分の健康効果が謳われることは少なくない。だが、新潟大学名誉教授の岡田正彦医師は大前提として、「あらゆる食材・栄養素に良い面と悪い面がある。その食品・成分ばかりを摂っていればよいというわけではない」と強調する。
健康効果のメカニズムを正しく知って、バランスのよい食事を心がけることが重要だという。そこで今回、巷で浸透している食品や成分の健康効果について、医師のアドバイスをもとに★印(最高は★5つ)で格付けした。
【DHA・EPA(★★)】
植物油や魚類に多く含まれるDHAやEPA。多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)と呼ばれ、血液をサラサラにし、老化の原因となる過酸化反応を抑える。
ただし、岡田医師は「サプリで摂取するのはお勧めしない」という。
「DHA・EPAの健康効果については数多くの学術調査がありますが、米国の研究者が精度が高いと考えられる論文を比較・分析したところ、DHAやEPAが配合されたサプリを摂った人と摂っていない人で、健康状態がほとんど変わらないことが判明しました。
それどころか、EPAを医薬品として摂取した人の死亡率(3.1%)は、飲まなかった人の死亡率(2.8%)に比べて少し高くなったという研究もある。サプリでなく、魚を食べるほうが望ましい」(岡田医師)