体調不良の“左右差”は重大な病気の兆候かもしれない。「ただの腰痛」と思い込んでいた痛みが、内臓疾患のサインだということがある。腰の右側が痛む場合について、北品川藤クリニックの石原藤樹院長が解説する。
「十二指腸潰瘍の自覚症状は腹痛が一般的ですが、右側の腰やみぞおちに差し込むような痛みが出ることがある。十二指腸に障害が起きると、右腰回りの神経が刺激されるためです」
逆に左側だけが激しく痛む場合は、膵炎や膵臓がんの兆候であることも。きくち総合診療クリニックの菊池大和院長が解説する。
「膵臓がんや急性膵炎の可能性があります。典型的な症状は腹部の激痛ですが、膵臓は体の左側の深い部分に位置するため、左の脇腹から背中にかけて痛みが現われることが多い。左側の腰痛に加えて、体重減や微熱などの症状が出た場合は、精密検査を受けたほうがいいでしょう」
肩や腰の片側に生じる痛みは、「肉体的な疲労」や「体の動きのクセ」のせいだと思いがちだ。だが、激しい左右差を伴なう場合は内臓の疾患を疑う必要がある。
※週刊ポスト2018年5月18日号