ビジネス

肩書きの複雑化で「誤って書くリスク」が格段に高い時代に

どっちが上司か判断不能(イラスト/福島モンタ)

 サラリーマンの「肩書き」は近年、“複雑”になり、新入社員だけでなくベテラン社員でさえ困惑する状況が生まれている。

 団塊世代が管理職の適齢期を迎えた1990年台後半にポストが不足し、モチベーション維持のために部下のいない管理職を増やしたことなどが要因なのだが、ホールディングス(持ち株会社)制をとる企業では、事態はよりややこしくなる。持ち株会社の「グループ広報部長」と、傘下の事業会社の「広報部担当部長」が別の人だったりすることはざらだ。

「昇進祝いの電報やメールを打つのにも、肩書きを誤って書く“リスク”は、昔に比べて格段に高い」(50代、大手メーカー社員)のだ。

 同業他社の同じ役職名で、社内での序列が異なるケースも散見される。三井住友銀行やみずほ銀行の営業部門には「上席部長代理」という肩書きがある。ただし、三井住友では「支店の課長クラスより下」と位置づけられる一方、みずほでは逆に「支店の課長クラスよりも上位」となっているという。また、みずほには三井とは異なり「代理補」のような20代の若手を想定した肩書きはない。

 対照的に、役職を増やさず、同じ肩書きでも幅を持たせる会社もある。代表的なのは、トヨタ自動車だ。

 トヨタの事務系部門の管理職には「部長」「室長」「グループ長」しかない。そのため、同じ肩書きでも「30代前半のグループ長もいれば、50代のグループ長もいる」(広報部)のだ。前回会ったグループ長は若かったが、別のグループ長は年配者で驚く場面もありそうだ。

※週刊ポスト2018年5月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン