特定の食品や成分の健康効果が謳われることは少なくない。だが、新潟大学名誉教授の岡田正彦医師は大前提として、「あらゆる食材・栄養素に良い面と悪い面がある。その食品・成分ばかりを摂っていればよいというわけではない」と強調する。
健康効果のメカニズムを正しく知って、バランスのよい食事を心がけることが重要だという。そこで今回、巷で浸透している食品や成分の健康効果について、医師の見解を聞いた。
【ブルーベリー】
「ブルーベリーのアントシアニン、ビタミンAが目に効く」──という定着したイメージ。実は医学的には根拠がない。
「視力を保つのに、網膜でアントシアニンとビタミンAが作用しているのは事実です。しかし、これらの物質を食事やサプリで補給して目が良くなったというデータは存在しません。加齢黄斑変性症など目の病気の予防には、抗酸化物質を含む色々な種類の果物をたくさん食べることが有効だとわかっています」(岡田医師)
【コラーゲン】
皮膚や骨、軟骨を形づくり、強さやしなやかさを保つ働きをしているコラーゲン。それを食べることで関節痛の緩和、美肌効果を期待する人は多い。しかし、食事として摂取した場合、体内で分解された後に体のどの部分でどのように利用されるかは分かっていない。
「少なくとも、口から摂取したコラーゲンが肌を若返らせるなどの効果は証明されていません」(岡田医師)
※週刊ポスト2018年5月18日号