「総理の妻」「首相夫人」「トップレディー」──日本における呼び名はいろいろあるが、海外に倣って「ファーストレディー」という呼び名が定着したのは実は現首相夫人の安倍昭恵さんからだといわれる。
「2006年に安倍首相が総理となった時、昭恵夫人は44才でファーストレディーとなりました。前総理の小泉純一郎さんには奥様がいなかったため、約5年ぶりで、昭恵夫人も気合いが入っていました。海外のファーストレディーのように“公人”として活動できるようにすべきだ、と考えていたのだと思います」(政治ジャーナリスト)
予算もつかなければ秘書もつかない、それでも夫である総理と共に外遊に同行し、災害があれば被災地にも赴く。公人なのか私人なのか、その地位を確たるものにしようとしたのもまた昭恵さんだった。
◆第一次政権時代にポストを新設
「夫人を支えるためのスタッフを置くべきだ、という強い意向で、2006年に初めてできたのが首相公邸連絡調整官という新しいポストです。元外交官で安倍家とも親交のあった宮家邦彦さんなど2人が就き、国家公務員の専従スタッフとしては初めての例です。ただ、次の福田政権には引き継がれず1年限りとなりました」(前出・政治ジャーナリスト)
福田政権以降は、外務省の非常勤スタッフが外遊の際などに限定して指南役に就いたが、2012年に昭恵さんがファーストレディーの座に返り咲くと、状況はまた一変する。
「一連の問題で、昭恵さんには経済産業省から常勤で2人、外務省から非常勤で3人、計5人のスタッフがついていたことが明らかになりました。総理は、“妻は私人だ”といくつもの局面で説明していますが、国家公務員5人をスタッフとして従えている私人が他にいるか、当然の疑問です」(政治部記者)
フェイスブックなどSNS発信、居酒屋経営など、それまでにはないいくつもの手法で、その存在感を示してきた昭恵さん。目指した姿と現実との埋められないギャップが一連の疑惑を生んでしまったのかもしれない。
※女性セブン2018年5月24日号