米やパン、麺類などの炭水化物(糖質)の摂取を抑える「糖質制限ダイエット」が2000年代以降、注目を集めている。肉など炭水化物以外の食品は好きなだけ食べていいのが“ウリ”だ。しかし、新潟大学名誉教授の岡田正彦医師は細心の注意が必要だという。
「2013年の研究で、糖質制限ダイエットを長期間続けた人は、普通の食事をしてきた人に比べて『総死亡率』(原因を問わず調査期間中に死亡した人の割合)が1.3倍も高くなったことが分かった。さらに、今年3月には東北大学が動物実験で糖質制限が老化を促進するとの論文を発表しました。
肉には動物性脂肪、コレステロールが多く含まれています。摂取しすぎれば、動脈硬化を招き、結果的に心筋梗塞などを引き起こしてしまいます」
リスクを指摘した上で、岡田医師はこう続ける。
「糖質の制限は短期間に痩せる効果が高いことは確かです。短期間に体重を減らす緊急性がある場合には、私も患者さんにやってもらうこともありますが、半年以上は続けません。医師の指導のもとに、ごく短期間行なう場合に限定すべきでしょう」
※週刊ポスト2018年5月18日号