頭痛や腰痛など、「身体の片側だけに痛みや異変が現われた」という経験のある方は多いはず。そうした症状を見過ごすと、取り返しのつかないことになるかもしれない。体調不良の“左右差”は重大な病気のサインであることが少なくないからだ。
痛みや異変が体の左右どちらか一方に現われることで、病気の早期発見に繋がることがある。
【片側だけの鈍い頭痛 脳腫瘍の可能性】
頭の片側がズキズキと痛む時、まず疑われるのが「片頭痛」だ。片頭痛は一般的に、頭の中の血管が拡張することで起こる頭痛と考えられている。ただし、なぜ片側だけに痛みが生じるのかを含め、詳細なメカニズムは解明されていない。
市販の鎮痛剤を服用して痛みが引くまで我慢してしまう人も多いはずだが、くどうちあき脳神経外科クリニックの工藤千秋院長はこう注意を促す。
「頭の一部や片側に圧迫感や鈍痛が続く場合は、その部分に脳腫瘍があることが疑われます。腫瘍により脳内の圧力が高まることで起こる現象と考えられます」
脳腫瘍の場合、顔の左右どちらかの目の周りや頬、口元がピクピクと痙攣することもあるという。
「原因ははっきりわかっていませんが、脳腫瘍が顔面の神経を圧迫しているとする説があります。症状が進行すると、顔が引きつってゆがんだり、片眼がギュッとつぶったままになったりします」(工藤院長)