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アマゾン「お坊さん便」VS仏教界 いまだ停戦に至らず

季刊『宗教問題』編集長の小川寛大氏

 葬儀や法事のお布施は“お気持ち”でこれが古くからあった“常識”である。そんな常識を覆す、定価3万5000円のアマゾン「お坊さん便」が登場して2年経つ。当時、伝統仏教の連合組織・全日本仏教会(全日仏)が「お布施はサービスの対価ではない」と定額表示に反対し、販売停止を求めるなど、「アマゾンお坊さん便VS仏教界」として社会の注目を集めたあの騒動はどうなっているのか。『宗教問題』編集長の小川寛大氏が、解説する。

 * * *
「2017年8月末時点で、『お坊さん便』への累計お問い合わせ件数は、サービス開始当初から18.6倍になりました」

 ネット通販のアマゾンに「お坊さん便」を出品し、サービスを実際に運営する株式会社みんれびの広報担当者は、今回筆者の取材にそう答えた。

「お坊さん便」それ自体は、ITベンチャー企業であるみんれびが2013年から運営していた事業。2015年12月に行ったアマゾンへの出品登録は、販売窓口を一つ増やしたに過ぎなかった。しかし、仏教界からの反発を含め、注目度は急上昇。「事業の一つの潮目になったのは事実」(同前)と話す。

 もともとインターネット上で口コミレビューサイトを運営していた2009年創業のみんれびは、2013年、特定寺院との付き合いがない人でも定価で簡単に僧侶を呼ぶことのできる、「お坊さん便」事業を立ち上げた。

「アマゾンへの出品後、僧侶の方からのお問い合わせも激増しています」(同前)

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