脱毛の技術は日進月歩、それと同時に市場も成長を続けている。除毛・脱毛機器を含む美容家電市場は2016年に1000億円を突破。2017年にはさらに拡大し、前年比6.2%増の1137億円となった。同じくエステ業界も成長を続けており、近年は脱毛特化型サロンが台頭、脱毛市場は今後も拡大する見込みだといわれる。
こうした女性の脱毛産業を支えているのは「わき毛」だった。東京・新宿でプライベート脱毛サロン『ella』を経営する榮田美香氏が語る。
「女性がエステを訪れるきっかけの5割がわき毛脱毛です。そこから全身の気になる箇所へ施術を希望されることが多いですね」
近年は機械の改良により、脱毛にかかる時間と費用が大幅に減ったことで、客数が増加した。
「機械にもよりますが、私が脱毛セラピストを始めた7年前と比較しても、概ね1回の全身脱毛にかかる時間は3分の1の1時間程度に短縮。価格は平均して8万円前後だったのが、今は2万円前後です。個人差もありますがそれを月に1度、毛周期が1周する1年間ほど通えばムラなく脱毛ができます」
機械はどう進化したのか。
「現在の主流は、エステで行なう『光脱毛』と、クリニックが行なう医療行為に該当する『レーザー脱毛』です。それぞれ肌に照射する光の波長が異なり、レーザー脱毛は単一の波長を集中的に照射するので光脱毛より威力が強い。2000年頃、エステ脱毛では海外から輸入された機械が主流だったため日本人の肌に合わず、痛みや火傷、毛嚢炎などのトラブルが見られましたが、現在は日本人の肌に合わせた機械が開発され、最新の機種では痛みはほとんど感じません」