国内

成長する出会い系アプリ市場 実名サービス登場で認知度上昇

3人に1人が出会い系アプリを使って恋愛・結婚(写真/アフロ)

「現在の恋人とつきあって1年4か月になります。それまでの恋愛は長続きしなかったけど、今の彼とはめずらしく長く続いていて、結婚まで意識しています」──幸せいっぱいの表情でこう話すのは、関西地方の商社に勤める田代美保さん(仮名・29才)。AKB48・柏木由紀似の清楚系の美女だ。

 田代さんが見せてくれたのは、5才年上の彼氏の写真。山田孝之似のイケメンで、年収は1500万円だという。

「出会ってからつきあうまで3週間、その間に4~5回のデートを慎重に重ねて“この人しかいない”と思うようになりました」(田代さん)

 ここまで聞くと、いたって普通の恋愛のようだが、ふたりの「なれ初め」を知ると印象が変わるかもしれない。

「先に彼が私の写真を見て『いいね!』を押してくれて、私もそれに『いいね!』で返して連絡を取り合うようになりました。彼は年収、学歴、顔、性格と条件をすべてクリアしていたから、“この人を逃したらもう他はないな”と思ったんです」(田代さん)

 そう、田代さんと彼が出会ったのは、スマートフォンを使った「出会い系アプリ」だった──。

 出会い系サイト「ハッピーメール」で知り合った20代女性に金品を渡して交際したとして、新潟県の米山隆一前知事(50才)が辞任して半月あまり。東大卒で医師、弁護士の資格を持つ超エリートの現役知事が、出会い系サイトを介して女子大生と“恋愛”していた事実は世間に衝撃を与えた。

「知事がいかがわしいサイトを使うなんて新潟の恥です」(60代女性)
「あの年で出会い系なんて信じられない…」(50代女性)

 地元住人からはいまだこうした辛らつな声が上がるなか、本誌記者が米山氏の実家を訪ねたところ、インターホン越しに女性が一言こう話すのみだった。

「わざわざ来ていただいて申し訳ないですが、コメントは差し控えます」

 米山前知事の一件以来、良くも悪くも注目を集める出会い系。嫌悪の目を向けられながらも確かに現代社会に浸透したこの文化は、どこから発祥し、どのような趨勢を辿ってきたのか。

 30を超える国際版SNSに登録して、世界中から情報を集めるフリーライターの出町柳次さんが解説する。

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