球史に前例のない“特別ポスト”に就任したイチロー(44)は、これからどんなキャリアを歩むのか──来季以降は再び出場の可能性が残ると報じられているが、関係者の間では“再来年の大舞台”を用意するシナリオが浮上している。
今回のシアトル・マリナーズ会長付特別補佐就任は“事実上の現役引退”という見方が主流だ。MLB評論家の福島良一氏はこう解説する。
「チームの宝であるイチローに敬意を表するためにフロントの肩書を与え生涯契約を結んだ。そして本人が希望する“50歳まで現役生活を続ける”という目標達成の可能性も形の上で残したということです」
オリックス時代のコーチであり、“振り子打法”を二人三脚で考案したイチローの育ての親・河村健一郎氏も、寂しそうにこういう。
「イチローの衰えは明らかです。右手のグリップが緩んでいるから、バットを振り切れずにポンと当てにいくバッティングになっている。ここ7年間、3割を打てなくなっていることがそれをよく物語っています。守備力は落ちていませんが、ベンチ入りの中にこの年齢の守備要員はいらないという判断なのでしょう」
そう分析した上で、イチローの今後について、こんな見方をする。
「もともとイチローは天才ではなく努力の人。つねに前に向かっているため達成感や満足感がない。だからこそ発する言葉が難しく聞こえるんでしょう。