3男1女を全員東大理IIIに現役合格させた佐藤亮子ママは、これまでも歯切れのいい言葉で、目からウロコのお受験テクニックの数々を語ってきた。そんな彼女が新著で綴ったテーマは、「子育て論」。悩める世のお母さんたちへ、佐藤ママが初めて明かす「受験以外」の珠玉メッセージをお届けする。
「最近は講演会で寄せられる質問も、受験や勉強のテクニックではなく、“母親としての悩み”が多くなってきました。子育てをしながら家族を支え、周囲の人間ともつきあうのは想像以上に大変な作業。ここにお受験が重なって疲弊してしまう母親たちの、なんと多いことか。そこで、私が4人の子供を育てる上で見つけた“より幸せな子育てのための心得”をお伝えしようと思いました」
そう話すのは、佐藤亮子さん。4人の子供を全員東大理科III類に現役合格させ、“佐藤ママ”の愛称でメディアにも多数出演する彼女が、4月に新著『佐藤ママの強運子育て心得帖 幸せと成功を引き寄せる53の言葉』(小学館刊)を上梓した。
かつて「受験に恋愛は必要ない」と言い切り話題を呼んだ佐藤ママが、初めて“子育て論”を綴った同書には、
《「ママ友」なんてマボロシ》
《子育てに両立はない》
《母親の好奇心=子供の偏差値》
など、ママ友問題から母親としての生き方まで、“心が強くなる”メッセージが満載となっている。とりわけ読者からも関心が高かったというママ友問題について、佐藤ママが本誌に語る。
「あらゆる情報がネット上に氾濫しているこの時代、母親は子育ての“軸”を定めづらい。だからこそ、『都合のいい情報』をくれる優しそうなママ友になびいてしまうんです。ママ友も100人いれば100通りの意見がありますから、自分の意見がない人ほど右往左往して振り回されてしまう。
加えて陰湿な世界でもあります。グループの“ボスママ”の言う通りにしないとイジメられることもある。私も娘が幼稚園時代にボスママに遭遇しましたが、“子分”の母親にコンビニのおにぎりを無言で差し出しているのを見て、おにぎりをあげているのかと思ったら、なんと袋を開けさせていたのです(笑い)。そんな理不尽なヒエラルキーがそのまま子供同士の関係にも及んだりして、もう害ばかりだな、と。こんな世界で精神をすり減らしている母親たちが気の毒でした。
もちろんママ友の中にはいい人もいるでしょうし、情報がもらえたり、悪いことばかりではない。でも、どうしても必要かといえば、少なくとも私にとっては必要ではありませんでした」
彼女は、この時1つの事実を悟った。
『友人・知人はいらない。隣人だけいればいい』
佐藤ママが続ける。
「子供の進学先が変わればママ友関係は変わりますが、隣人は変わらない。ならば、隣人を大切にすればいい。幼稚園の送り迎えの時など、隣人は仲よくなっておくとなにかと便利ですから(笑い)。
一方で、先ほど述べたように、ママ友関係は悩みの方が多い。いっそ『いらない』と腹をくくる方がいいのです。そのために最も必要なのは、自分で書籍や新聞を読んで徹底的に勉強し、自分の中に子育ての軸を作ること。“自分で自分の責任を取る”という覚悟を持つことで、余計な意見に惑わされない自信が生まれてきます」(佐藤ママ)
※女性セブン2018年5月24日号