国内

新潟女児殺害、関係者の驚きと県警情報発信の問題点

小林容疑者の高校の卒業アルバム写真

 事件発生から1週間後の14日、死体遺棄、損壊の容疑で小林遼(はるか)容疑者(23才)が逮捕された。小林容疑者の自宅は、殺害された大桃珠生(たまき)ちゃん(享年7、小学2年生)の家から約100mしか離れていなかった。

「7日の午後10時半頃、新潟県新潟市のJR越後線の上り列車に轢かれた珠生ちゃんの遺体が発見された。丹念な調査で、頭部には首を絞められたような跡やうっ血があることがわかり、何者かによって殺された後に線路に遺棄されたとみて捜査が進められていました」(全国紙記者)

 結論から言うと、県警はごく初期段階から小林容疑者をマークし、24時間の行動確認を続けてきた。

「絞り込んだ決め手は、犯行の1か月前に起こしていたわいせつ行為でした。小林容疑者はこの4月、女子中学生を連れ回してみだらな行為をしたとして、青少年保護育成条例違反で書類送検されていた。

 事件直後から容疑者の周囲を徹底的に洗う中で、所有する黒の軽自動車が、現場付近や小学校の周りのドライブレコーダーに映り込んでいることなどで、証拠を固めていきました」(捜査関係者)

 小林容疑者はこの地で生まれ育った。珠生ちゃんが通う小学校を卒業した後、地元中学校、工業高校を卒業し、自宅から車で20分ほどの電気工事会社に就職した。会社関係者が話す。

「事件があった日の朝、“体調不良で休ませてほしい”と連絡があり、それ以降ずっと休んでいました。口数が少ないタイプでしたが、まさか犯人だとは…。たしかに8日以降は毎日、警察から出社の確認の電話がかかってきていた。4月にわいせつ事件を起こしていたことも知りませんでした」

 周辺住民は“礼儀正しい人だった”“大人しそうで問題を起こすようには見えなかった”と口を揃える。結果的にはそれが盲点となり、幼い命に牙がむかれた。

 地域やメディアに向けての新潟県警の情報発信のあり方も、問題を抱えていた。「捜査にかかわるから」と徹底して情報を隠したが、「白い車」や「黒いサングラスの男」などやたらと不安を煽る情報が出回ったり、いわれもない近隣住民が疑われもした。そんな事態を防ぐためには、「その情報は犯人とは関係ない」などの情報を出すのも、市民生活を守るために必要なことではなかったか。

※女性セブン2018年5月31日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン