国内

新潟女児殺害、事故扱いを回避できた“遺体との会話”

事故現場付近では連日検問が続いた(撮影/共同通信社)

 新潟県新潟市の大桃珠生(たまき)ちゃん(享年7、小学2年生)が殺害され、JR越後線の上り列車の線路に遺棄された事件で新潟県警新潟西署捜査本部は5月14日、死体遺棄と死体損壊の疑いで現場近くに住む会社員、小林遼容疑者(23才)を逮捕した。

 なぜ線路に遺体を置いたのか──その理由を巡って事件発覚当時、活発に議論された。全国紙記者が語る。

「殺人を隠すための偽装工作だとみられます。電車に轢かせて、遺体を大きく損傷させることで死因を隠蔽できると考えたのでしょう。珠生ちゃんの自宅にも近く、着衣に大きな乱れがあるわけではなかったため、容疑者は“子供が夜フラフラと線路に迷い込んで事故に遭った”または“自殺を図った”というシナリオを描き、『他殺』から目を背けさせようとしたのでしょう」

 実際に、現場には「事故だろう」と漏らす捜査関係者もいたようだ。犯人の術中にはまり、轢死体の状況を見て、“事故”扱いで処理されていた可能性もあったわけだ。捜査関係者が明かす。

「現場の様子に違和感を持つ捜査員もいました。田舎の単線とはいえ、大きな声ではいえませんが、年に数件は飛び込み自殺が起きます。その度に現場検証を行いますが、今回はいつもと違い、“出血が少なかった”んです。幼い子供だったからとも考えられましたが、何か不自然だぞと。そこで、急いで遺体を司法解剖に回したんです」

 今年1~3月に放送されて注目されたドラマ『アンナチュラル』(TBS系)。主演の石原さとみ(31才)が演じたのは、警察や自治体からの依頼を受けて「不自然な死」を遂げた遺体を解剖するなど、法医学の知識を駆使して事件や謎を解決する法医解剖医だった。

 法医学の権威で、監察医として2万体以上の遺体を解剖した上野正彦さんが指摘する。

「法医学の仕事を簡単にいうと、事件を解決するための資料として変死体の死因を解明することです。遺体に残された傷跡や血痕などの些細な手がかりから、死亡時の状況や死因を探ることが法医学の役割であり、時には犯人像の推理まで行います」

 7日22時30分頃、事故が起きた。その日の真夜中には、珠生ちゃんの遺体は新潟大学医学部内にある法医学教室に運び込まれていた──。

◆お昼の給食がまだ胃に残っていた

 8日の早朝、警察からの緊急連絡を受けて、新潟大学法医学教室のA教授とその助手たち数名が、キャンパスに駆けつけた。「電車の轢死体に不審な点がある」と連絡を受ければ、すぐに飛んでいかなければいけない。もし事件だった場合、犯人逮捕のために一刻を争うからだ。

関連記事

トピックス

本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン